【写真】ノイズは本当に敵なのか?デジタルノイズが嫌われる理由。

カメラ
Created with RNI Films app. Preset 'Agfa Optima 200 v.3 Faded'

皆さんは、「ノイズ」と聞いてどのようなイメージをしますか?

多くの人はマイナスのイメージを浮かべたはず。

 

家庭用のデジタルカメラが登場し20年を超える。

フィルム時代にはあまり気にならなかったノイズ。

デジタルになりかつ高画素化が進むにつれノイズが目立つように。

 

アナログからデジタルに変わりノイズが悪者にされる昨今。

しかしながらSNSではフィルム風のフィルターを使い「懐かしい」「エモい」「お洒落」と真逆の評価です。

 

ここからは真逆の評価になった理由を人間の五感の一つである「音」と共に比較し検証します。

 

これを読めば「ノイズ」に対するイメージが変わるかもしれません!

加工例やアプリも紹介しています。簡単に出来るのでトライしてみてください。

アナログ(フィルム)とデジタルのノイズの違い

「ノイズ」と聞いて「雑音」と答える人が多いのではないでしょうか。

辞書で引いてみると「騒音」「雑音」が最初に出てくるので当然の事。

 

写真や映像の世界にもノイズは存在しています。代表的な物としてアナログの「フィルムグレイン」、デジタルの「高感度ノイズ」と言われるもので、同じノイズでも全く性質が違います。

 

昨今の高画素の画像では違いは全くと言っていいほどわからないが、デジタルのノイズは親の仇と言わんばかりの悪者扱い。

 

何故、デジタルノイズがここまで邪険にされるのか?

 

そこで、同じようにでアナログとデジタルが存在する「音」に注目して読み解いていきます。

音でのアナログとデジタルの違い

アナログのレコードで聴くと「音に広がりがある」「リラックスできる」、「温かみがある」など数字だけでは表せられない感想もよく耳にする。

 

人間の耳は一般的に20Hz〜20,000Hzまで聴くことが可能と言われており、CDは44,100Hz、ハイレゾ音源で96,000Hzで再生が可能。

 

デジタルで音を再現する時は小難しい定理があるのですが、ここでは省略する事にします。

 

CDは人の聞こえる範囲、ハイレゾはその倍の範囲をカバー。

しかし、話題に上がるのは専らレコードで、評価も高いものが多い傾向だ。

 

それはなぜなのか?

筆者はデジタルではアナログ波形を完璧に再現できていないと考察。

 

次に「波形」に注目して深堀をしてみよう。

「丸」と「角」の影響

どんなに頑張ってもデジタル処理では必ず「角」が出来てしまう。それは映像でも音でも同じである。

 

音の波形を遠くから見るときれいな曲線に見えるが、拡大してみると、ゴツゴツと荒い印象。音はしっかりと再現されているが、微妙な違和感を感じるのは、この「角」が原因のような気がする。

アナログの波形は点の集合体が線を表している。

※図は大まかなイメージです。

 

デジタルの波形は棒グラフで波を再現して線を作っている。

 

映像ではどうでしょう。

 

写真フィルムは化学反応を利用して記録。筆者の主観だが、肉眼に近いので遠い被写体が多少つぶれてもそこまで違和感がない印象です。

デジタルはというと、一見きれいに見える写真だが、実はものすごく細かい碁盤の目をしている。

イメージセンサーが写真のフィルムにあたる部分だ。

よくカメラの性能で5,400万画素といった表現がある。これは9,000×6,000個の碁盤の目が集まった画像である。碁盤の目ということは必然的に「角」ができるとも言える。

イメージセンサーは図のように四角の集合体と思ってもらってよい。

上記の考察を検証するため、形に関する論文を2つ紹介します。

ギザギザした放射状に広がる形で、爆発や光をイメージしたと推測する。「動的」「力 強い」という評価も多く得たことからも、そのように考える。

引用:岡野 千晴.「〈論文〉形の印象に関する研究」.『近畿大学九州短期大学研究紀  要』.近畿大学九州短期大学, 2019, 75 – 84ページ

複雑な図形はそのことによって強い個性が出る傾向にあり,逆に単純な図形は個性が弱 く多義にとられる傾向があると考えられる.

引用:山口由衣・王 晋民・椎名 健.「図形の心理物理的特徴と意味的特徴の対応関係」. 『『認知心理学研究』第1巻 第1号』.日本認知心理学会, 2004, 45 – 54ページ

このことから、筆者は複雑なデジタルのノイズが邪険にされていると考察している。

フィルムグレインの加工例

実際にアプリのフィルターを用いてフィルム風に加工をしてみた。

 

iPhone 6sにて撮影

撮影地:イギリス・ロンドン ハムステッド・ヒース

加工前

加工後:RNI Films使用

Created with RNI Films app. Preset ‘Agfa Optima 200 v.3 Faded’

設定値:Agfa Optima 200 v3 Faded, GRAIN – STRENGHT; 20 SCALE; 50

おおすすめのスマホアプリ5選!

Instagram

誰もが知っている写真投稿型SNS。

フィルターを使って多彩なアレンジが可能なことも一つの特徴である。

 

VSCO

フィルターアプリのひとつ。

SNS機能もあるのでサインインが必要。有料版だと200以上のフィルターが使える。

 

RNI Films

フィルム加工に特化したアプリ。

サインインが必要。Pro版だと各メーカーのプロファイルがあるのが特徴。PSなどのプラグインもあるのでPCでも利用できる。

 

Fotor

無料の写真加工アプリ。

無料とは思えないくらい機能が豊富。有料版もあり、PCでも使え、ブラウザーだけで完結させることもできる。

 

Focos

フォーカスやライティングを調整・加工できるアプリ。

最近では、標準でポートレートモードもあるが正直、違和感を感じることもある。少々手間ではあるが、このアプリを使うと背景のボケが自然な形になる。

まとめ

いかがでしたか。

今回はノイズをアナログとデジタルの違いを、

 

・五感の一つである「音」

「形」での印象の違い

 

について解説と考察をしてみました。

 

ここまで邪険にされるピクセルノイズだが、音からの考察や論文から「個性的な形は目立ちやすい」傾向がある。

 

しかし、音の波形でも歪な形の波形が出ることもあるが、丸みを持っているためにそこまで気にならないどころかいいアクセントになっているようにも思う。

 

デジタルカメラで写真を撮り、ノイズのある作品が出来上がってしまったら、フィルム風に加工しノイズを有効活用するのも一理あるのではないだろうかと、筆者は考えています。

 

この記事を参考にフィルム風の「エモい」写真の加工に挑戦してみてください。

 

今後も、写真を中心に違った角度からの検証や撮影のローケーションなどの情報発信をしていきます。

 

お楽しみに!

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